僕の名前は西條拓巳。
僕は思う。 “視線”は目に見えない。
見ているのに見えないなんて、変な話だ。
物心ついた頃から、僕はどこからかの“視線”を感じることが何度かあった。
振り返っても、誰もいない。でも見られていたっていう確信があった。首筋あたりが、ゾワゾワとするような感覚。
それって、ただの自意識過剰?
それとも、視線恐怖症?
小学生くらいまで“きっと神様が僕の事を見つめてくれているん だろう”なんて本気で思ってた。その頃書いた作文でも、そんなようなことをテーマにしてた。もちろん今思えばそんなの、どう考えても中2病だ。イタいったらないよ。今誰かに読まれるなんてことになったら、僕は一生引きこもるね。ふひひ。
あの作文のタイトルは、今でもよく覚えてる。
『その目だれの目?』
──僕を、見るな。
「三次元に興味はないよ」と言い切り、基地(ベース)と呼んでいるコンテナハウスで大量の美少女フィギュアに囲まれながら生活する、引きこもり一歩手前の高校2年生、西條拓巳。 彼が住む渋谷では、『ニュージェネレーションの狂気(通称:ニュージェネ)』と呼ばれる連続猟奇殺人事件が発生し、ネットやテレビを日々騒がせていた。 ある日、いつものようにチャットをしている拓巳の前に、『将軍』と名乗る人物が現れる。彼が発言したURLのリンク先にあったものは次のニュージェネ事件を予言するようなグロ画像だった。さらに、翌日、拓巳は、予言された通りの殺され方をした、凄惨な事件現場に遭遇する。
拓巳の平穏な日々に猟奇事件の影が忍び寄っていた──。


